アラフィフのおばさんの私は、派遣で働いています。
働く地域は2〜3年ごとに引っ越すことが多いため、さまざまな場所で働いています。どうにもならない田舎に行くことはないので、仕事は見つかっています。
20代の頃は転職を繰り返し、ブラック企業を渡り歩くのが当たり前だったため、「仕事が見つからない!」という状況にあまり不安を感じなくなりました。
逆に、そんな心配がないからか、中年以降でも意外と仕事は何とか見つかってきました。
ただし、未経験の仕事に派遣として挑戦するのは、やはり厳しいと実感しています。
データで見る40代以降の派遣社員は多い
厚生労働省の「雇用の構造に関する実態調査(派遣労働者実態調査)」のデータをもとに、実際の派遣社員の年齢などを紹介します。
年齢制限は厳禁
仕事紹介において、年齢制限は厳禁です。
平成19年10月より厚生労働省によって年齢に基づく差別が禁止され、年齢不問の求人が増えています。例えば、「年齢不問。ただし、35歳未満の方歓迎」といった表現は違法です。
実際は、年齢で判断されることは普通かも。
年齢階級別派遣労働者割合
40代以降の派遣労働者は多いです。
- 総数:55.3%
- 女性:54.5%
- 男性:56.3%
単位は%です。
年齢 | 総数 | 女性 | 男性 |
---|---|---|---|
15~19歳 | 0.2 | 0.2 | 0.2 |
20~24歳 | 6.2 | 6.3 | 6.1 |
25~29歳 | 11.3 | 10.3 | 12.4 |
30~34歳 | 13.1 | 14.4 | 11.7 |
35~39歳 | 13.6 | 14.2 | 13.0 |
40~44歳 | 16.7 | 18.1 | 15.2 |
45~49歳 | 13.1 | 15.4 | 10.8 |
50~54歳 | 9.4 | 10.3 | 8.6 |
55~59歳 | 5.6 | 5.0 | 6.3 |
60~64歳 | 4.6 | 3.2 | 6.0 |
65歳以上 | 5.9 | 2.5 | 9.4 |
2023年現在の最新結果は、平成29年の結果です。この後の新しい概況は、令和5年11月までに公表予定と厚生労働省のサイトに記載があります。
出展:厚生労働省のサイト・ホーム > 統計情報・白書 > 各種統計調査 > 厚生労働統計一覧 > 雇用の構造に関する実態調査(派遣労働者実態調査) > 結果の概要
業務別で多いのは一般事務
女性のみの上位5番目まで、単位は%です。
一般事務 | 39 |
事務用機器操作 | 19 |
物の製造 | 13.3 |
ファイリング | 6.5 |
販売 | 5.6 |
派遣社員の平均賃金(時給)
前項目に引き続き、厚生労働省の「雇用の構造に関する実態調査(派遣労働者実態調査)」のデータです。
厚生労働省の調査結果
賃金階級別派遣労働者割合及び平均賃金で一番割合が多いのは、1,000円~1,250円です。
- 総数:35.4%
- 女性:35.4%
- 男性:35.4%
賃金(円) | 総数 | 女性 | 男性 |
---|---|---|---|
1,000円未満 | 14.4 | 14.8 | 13.9 |
1,000円~ 1,250円未満 | 35.4 | 35.4 | 35.4 |
1,250円~ 1,500円未満 | 21.2 | 23.3 | 19.0 |
1,500円~ 1,750円未満 | 14.3 | 17.0 | 11.4 |
1,750円~ 2,000円未満 | 4.2 | 4.0 | 4.4 |
2,000円~ 2,250円未満 | 1.9 | 1.0 | 2.8 |
2,250円~ 2,500円未満 | 1.0 | 0.1 | 1.9 |
2,500円~ 2,750円未満 | 0.8 | 0.3 | 1.3 |
2,750円~ 3,000円未満 | 0.5 | 0.1 | 1.0 |
3,000円以上 | 3.0 | 1.3 | 4.7 |
不明 | 3.4 | 2.6 | 4.2 |
平均賃金 | 1,366 | 1,293 | 1,442 |
派遣ポータルサイトや派遣会社の求人の時給
「一般事務」の求人を派遣ポータルサイトや派遣会社のサイトで検索すると、地域によっては厚生労働省の時給より高いです。
例えば、東京での「一般事務」の仕事は、1,500円前後の求人が多くあります。大阪は東京より低い時給です。
経理は一般事務よりも時給が高い傾向があり、実際に1,850円前後の時給で働いていました。IT系の仕事では時給2,000円を超える仕事もありました。
地方では上記ほどの時給はもらえません。2017年まで住んでいた香川では、経理の仕事で1,100円~1,150円でした。ただし、家賃や食べ物(うどん)も安い。
年齢により派遣の仕事が決まりにくいって本当?
年齢制限は法律で厳しく規制されているものの、実際には企業や業界の先入観、偏見によって、年齢や経験の壁を感じることがあるかもしれません。
50代以降で断られる仕事は一部の未経験業種等
私は40代以降に派遣で働いてきましたが、職種は、経理またはIT関連です。2023年に職業訓練でWebマーケティングを学びましたが、転職活動の際に唯一書類選考が通ったのは、アルバイトのみでした。
そもそも自分には向いていない職種だな、ということは分かっていたので、面接には行きませんでした。
Web系に強い派遣会社に登録した際に、面談で言われたことがあります。
それは、「(私のような)高齢で未経験者は派遣での就業は無理です。今まで経験のある「経理」ならうちでも案件はあり、それなら紹介可能です」、とも言われました。
一般的にビジネスの世界では、60歳以上をシニアとすることが多いですが、シニアに分類されることもあります。
派遣の仕事は基本的に「即戦力」が求められます。未経験でも働けるのは、求人を出しでもなかなか応募者がいないような仕事や、短期、若い方でしょう。
介護の仕事をすすめられた
職業訓練ではキャリアカウンセリングが数回あり、キャリアカウンセラーに、「今後のことを考えて、人手不足で未経験でも入りやすく、引越し先でも仕事が見つかりやすい介護の仕事に挑戦してみては?」と言われました。
タイミングが合えば、職業訓練で介護のコースもあります。
介護の仕事は、未経験でも就きやすいです。これは私がオフィスワーク系の仕事が少ない地域へ引っ越した時、仕事が決まらず介護職に問い合わせたことがあるからです。
- 介護福祉士
- ホームヘルパー
- ケアマネージャー
- 社会福祉士など
50代以降でも決まる派遣の仕事
上記でも触れていますが、50代以降で決まりやすい仕事は、これまでに経験のある仕事です。ただし、年齢が上がるにつれて、仕事が決まりにくくなっていきます。エントリーしてもなかなか先に進まないことはよくあります。
私の場合は、経験がある業種で以下の条件で決まりやすい
- 特殊な仕事でなかなか人が見つからないような仕事
- 人が働きたくない職場(環境が悪い部署または会社)
- 扶養内勤務のような短時間や週2~3日勤務の仕事
専門性のある仕事は決まりやすい、はず
今まで働いてきた中で、50代以降の派遣社員がいた職場の職種です。私の経験職は除きます。
- 社会保険事務
- 年末調整時期の事務
- 英文会計
以前働いていた派遣先で、派遣社員が全く決まらないことがありました。上司が派遣会社の人と電話で話していた内容が、丸聞こえだったのですが、50歳~60歳の派遣社員を紹介されてました。そこで、断る理由は、年齢ではなく実務経験重視でした。
よくネットの掲示板等で、50代で職場見学まで行き、全く仕事が決まりません、というような相談を見かけます。その回答に、年齢です!と書かれているのもよく見かけます。
しかし、私が思うには、それだけではなく専門性が影響しているのではないかと感じています。
参考に、派遣労働者が以下の年齢の場合は、派遣先に通知します。
- 45歳以上である場合にはその旨 (労働災害の発生割合が多いため)
- 18歳未満である場合には実年齢
まとめ
派遣社員の年齢制限はありません。また、厚生労働省の「雇用の構造に関する実態調査(派遣労働者実態調査)」によると、実際に40代以降の派遣社員が多く存在します。
- 総数:55.3%
- 女性:54.5%
- 男性:56.3%
ただし、私の実体験からは年齢とともに仕事が決まりにくくなる傾向を感じています。
もし私の状況とは違い、同じ地域で働けるのであれば、派遣社員以外の働き方の方がよいのでは?と思います。